再生医療
再生医療とは「機能障害や機能不全に陥った生体組織・臓器に対して、細胞を積極的に利用して、その機能の再生をはかるもの」とされています。当院ではADRCS(脂肪細胞由来(幹)細胞治療)、幹細胞上清療法、自己血サイトカイン療法、多血小板血漿療法を行っております。
特にADRCSの治療計画書は特定認定再生医療委員会に提出しております。当院では2020年3月に「脂肪組織由来再生(幹)細胞を用いた慢性疼痛に対する治療」として第2種再生医療等提供計画番号(PB3190127)を取得いたしました。
厚生労働大臣の許可を得て、自由診療で行っています。
当院での再生医療について
最近、よく見聞きする再生医療とは、どんな医療でしょうか? 日本再生医療学会によれば、再生医療とは「機能障害や機能不全に陥った生体組織・臓器に対して、細胞を積極的に利用して、その機能の再生をはかるもの」とされています。一言で言うと、「細胞」を使った新たな医療ということができるでしょう。その中でも特に治療効果が高いのが幹細胞を使った治療になります。細胞の取り方、培養の方法、投与の方法は様々です。最先端の治療であることから、現在は細かい法律の規制の中で行われています。
幹細胞を用いる再生医療は厚生労働省が認めた特定認定再生医療等委員会でその治療の妥当性・安全性・医療体制・細胞加工管理体制が厳しく審査されます。そこで適切と認められれば、厚生労働省に治療計画を提出し、治療を行うことが可能となります。当院では2016年に第3種を2020年3月に第2種再生医療等提供計画番号を取得し、再生医療を行う認可を受けました。
▼届出された再生医療等提供計画の一覧[厚労省]
https://saiseiiryo.mhlw.go.jp/published_plan/index/1/2
当院で行っている治療は脂肪由来再生(幹)細胞療法・幹細胞上清療法・自己血サイトカイン療法・多血小板血漿療法 です。治療目的はそれぞれ違います。関心がある方は、まず診察でご相談ください。
ADRCS(脂肪由来(幹)細胞を用いた治療)
ADRCSとは
脂肪由来再生幹細胞を用いた治療のことです。皮下脂肪組織から脂肪細胞を除いて得られる脂肪由来の幹細胞を中心とした細胞群には疾患・損傷部位からの刺激に応じて必要とされるサイトカインを放出すると考えられています。それらは血管新生・免疫修復・抗細胞死・抗酸化作用などを発揮する可能性があると考えられています。
脂肪組織は体内に多く存在するため、必要な分を採取することが可能です。そのうえ、脂肪組織には再生可能な良質の幹細胞が多数存在します。骨や軟骨・脂肪組織・筋肉・神経その他の組織が再生可能と言われています。さらに、幹細胞には炎症を抑える効果があるとも言われています。これらの効果が合わさることで炎症や痛みを抑え、自己修復能力を高め、失われた組織を再生させる効果が期待できます。
この治療は局所麻酔による日帰り手術で行います。腹部より脂肪を採取し、セリューションと呼ばれる細胞分離装置で幹細胞を多く含む細胞液を取り出します。その後、点滴で静脈から投与します。
慢性疼痛で痛みが取れない難治性のお悩みを抱えている方には非常に効果的です。
当院におけるADRCS治療の流れ
Step1予約診療
・慢性疼痛の状態を確認
・治療適応について判断
・ADRCSについての説明
・具体的な治療計画説明
・術前検査について
Step2術前検査
(提携施設をご紹介し、ご予約をお取りします)
・胸腹部CT
Step3形成診療
(水曜日PM・土曜日PM 完全予約制)
・脂肪採取部位の確認
・胸腹部CTの確認
・手術予約
・手術前検査(採血)
Step4手術当日
Step1予約診療
・慢性疼痛の状態を確認
・治療適応について判断
・ADRCSについての説明
・具体的な治療計画説明
・術前検査について
Step2術前検査
(提携施設をご紹介し、ご予約をお取りします)
・胸腹部CT
Step3形成診療
(水曜日PM・土曜日PM 完全予約制)
・脂肪採取部位の確認
・胸腹部CTの確認
・手術予約
・手術前検査(採血)
Step4手術当日
1. 腹部より脂肪採取(おおよそ1~2時間ほど)
2. セルーションで細胞懸濁液を抽出(2~3時間ほど)
3. 細胞懸濁液を点滴で投与(点滴は30分ほど)
- 採取した脂肪の量が多ければ細胞の数が多くなる可能性があります。どれくらい脂肪を取りたいのかは診察で詳しく相談して決めます。
- 処理する脂肪組織量によって処理時間が異なります。
- 当日の準備:手術当日は着脱のしやすい服装で来院してください。また腹部を締め付けるような服装はお控えください。
- 麻酔は局所麻酔です。手術時間が長くなりますので、ご希望により傾眠状態で手術を受けていただくことも出来ます。手術前の診察でご相談していただきます。
Step5術後2日 診察
・慢性疼痛の状態確認
・腹部創の確認
Step6術後7日 診察
・腹部抜糸
・慢性疼痛の状態確認
1ヵ月後~6ヶ月後まで定期的に診察を受けて頂き、痛みの状態を確認していきます。
採血など定期的に行い、他覚的にも判断したします。
幹細胞上清療法 (Stem Cell Conditioned Media therapy)
私たちの体はおよそ60 兆個の細胞で構成されており、その細胞を生み出す元となる細胞が幹細胞です。
この幹細胞は体のいたるところに存在して各臓器や血液、皮膚などをつくり出しています。幹細胞が育つ際に放出されるサイトカインや成長因子を豊富に含む培養液スープを幹細胞培養上清液といいます。老化により衰えた細胞の回復を助けたり、炎症を抑えたり、美容治療や発毛促進などに効果があります。幹細胞培養上清液には細胞が一切含まれていないため、感染症や癌化の心配はありません。
注入する方法は点滴で行います。リラックスできるソファで30分ほど点滴をしてお帰りいただきます。治療間隔は治療目的によってさまざまですが、1~2週間毎に定期的に行っていただくことをお勧めしています。保険適応外となります。詳細は診察でご相談ください。
2ml/回 定期的に体のメンテナンスとして点滴を希望される方
5ml/回 疲れやすい、なんとなく体調がすぐれない方
10ml/回 細胞レベルでの積極的なアンチエイジングを希望される方
30ml/回 慢性疾患に悩まされている方
5回チケットには「にんにく注射」が含まれています。
自己血サイトカイン療法 (ACRS)
血小板を含む血液成分は、ガラス・ポリマーなどの人工表面に容易に粘着し、放出反応を惹起することが知られています。この作用を効果的に活用したのがACRSです。ドイツで開発された特殊なスピッツに採血した血液を入れ37度で3時間保管します。すると、ビーズに血小板がぶつかり合い、抗炎症物質であるIL-1Raや成長因子であるグロスファクターを放出します。3時間の保温中にIL-1Raは最高値まで培養され、通常濃度の5倍ほどに達します。その後、遠心分離を行い、血球を除いた有効成分だけを抽出し点滴を行います。
投与間隔は毎日行うことも可能ですが、1~2週間ほどの間隔で行うことをお勧めしています。
保温培養に3時間かかりますので、完全ご予約制で行います。途中で外出していただくことも可能ですし、冷凍しておき、後日注射の為に来院していただくことも可能です。保険適応外となります。詳細は診察でご相談ください。
治療開始前に全身状態を確認しますので、血液検査が必要となります。
ACRS後の改善率
1週間に1回、計5回治療後の変化
男性43名 平均年齢59.3歳
女性57名 平均年齢60.8歳
合計100名に治療を行った結果(下図)
多血小板血漿療法 (PRP)
この治療法は、ご自分の血液の中にある血小板から放出される、成長因子やサイトカインを抽出し、アンチエイジング治療に使用するというものです。サイトカインにはアンチエイジングに有効である様々な物質が含まれています。細胞増殖・血管新生・コラーゲン産生などの効果があるため、シワやたるみなど気になる部分に注射することにより、細胞レベルでの治療が有効となります。
具体的には、顔の気になる部分に注入します。注入した効果より、しばらく経ってからの皮下組織再生による皮膚のハリやシワが浅くなる、肌目が整うことで効果を実感します。
自分の血液からPRPと言われる成分を抽出するため、アレルギー反応や感染症などの心配はありません。
治療間隔は1週間~4週間に1回をお勧めします。
テロメアテスト ~病気のかかりやすさがわかる~
「未病」という言葉をご存知ですか?未病とは、健康と病気の中間の概念で、病気の発症には至らないものの、軽い症状がある状態のことです。通常の健康診断は病気になっているかいないかを調べるのに対し、テロメアテストは病気の兆候を察知することが出来ます。
テロメアとは細胞の核にある染色体の末梢領域にあり、遺伝子を保護している部分を指します。
この検査は、「テロメア強度」と「テロメア疲労度」を測定することで、DNAレベルでの健康状態がわかり、隠れている病気のリスクがわかる最先端の血液検査です。
「テロメア強度」からわかること:
これまでの生活習慣が持って生まれた遺伝子の強さにどのように影響しているのかがわかります。
「テロメア疲労度」からわかること:
現在の遺伝子へのストレスの度合いがわかり、それにより、いま健康な状態なのか、それとも病気に近づいているのかがわかります。
検査は血液検査です。わずか5ml採血するだけで済みます。
検査結果が出るまでに1ヵ月ほどかかります。結果は診察でご説明いたします。
特にお勧めなのは
・自分の健康が気になる人
・体調管理をしっかりと行いたい人
・体のだるさが取れない人、疲れがたまりやすい人
・何となく調子が悪い人
・日ごろからストレスが溜まっている人
・生活習慣病の予備群である人
・生活習慣病の治療中で重症化が心配な人
検査の結果は未病状態の通信簿です。仮に病気のリスクが高いと判定されても、生活習慣の改善などにより未病状態も改善することができます。これからは病気になってから治療をするのではなく、病気になる前段階から健康状態をチェックし、健康を維持していく時代です。
ミアテスト ~がん・認知症のリスクを見逃さない~
がんの検査は腫瘍マーカーやレントゲン・CTなどの画像検査が一般的です。がん細胞は時間と共に大きくなりますが、ある程度の大きさにならないとこれらの検査による発見は期待できません。
ミアテストで調べるのは「マイクロRNA」という遺伝子をコントロールする小さなサイズのRNAです。早期がんなどでは特定のマイクロRNAの増減がみられます。ミアテストではこれらを測定することでリスクを判定します。
従来の検査よりも早期の段階でがんのリスクを発見できる可能性があります。
検査は血液検査です。わずか6ml採血するだけで済みます。
検査結果が出るまでに1ヵ月ほどかかります。
病気の進行度に関係なくリスクを察知します。この検査は確定診断を行う検査ではありませんので、リスクが高いと判定されたら、精密検査を受けることが推奨されます。
がんは早期発見できるほどメリットがあります。検査の結果健康な状態とわかれば安心できますし、リスクがあるとわかれば生活習慣の改善による病気の予防や早期発見・早期治療につなげることができます。
検査可能な疾患は男性12種類のがん・女性13種類のがんです。また、アルツハイマー型認知症のリスクについても検査することが可能です。
▲このページの先頭に戻る